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6. 文書の作成技術

6.5 体裁


6.5.7 モニタをプリンタの擬似装置として使う

 モニタは、用紙の無駄使いを抑える目的で使われるようになったのが最初です。これがCharacter Displayです。テレビのブラウン管を利用したのが始まりですが、文字の解像度が悪いので、専用のディスプレイ装置が開発されました。普通のプリンタと同じ1行80文字(半角)が読める解像度を持たせたモニタが、横・縦のビット数640×480です。これをGraphics Displayとしても使うようになったのは自然の成り行きであって、同時にカラー化も進みました。当初は、文字とグラフィックスとの表示は、ソフトウエア的に別扱いをしました。これはプリンタとプロッタとが、原理の異なる別々の外部装置であったことも理由でした。オペレーティングシステム(OS)がウインドウズに変ったことと、プリンタとプロッタの装置原理上の違いがなくなりましたので、文字表示も図形の集合としての扱いになりました。モニタは、レーザプリンタの擬似装置として使うようになりました。ソフトウエア的に見れば、モニタもプリンタの一種です。装置を制御するソフトウエア(デバイスドライバ)を介して印刷イメージをモニタに表示します。このソフトウエアが、つまりワードプロセッサです。ここで、モニタで見たままの書式とレイアウトで用紙に印刷できることを謳った用語がWYSIWYG (what you see is what you get)です。文書原稿は、ファイルに保存し、それを読み込んで表示させます。このとき、文字コードと同時に、書式情報も必要とします。この方法のとき、書式情報をバイナリーデータとして持たせる方法と、文字と記号の組み合わせで挿入する方法とがあります。前者の方法が、一太郎、MS-Wordなどです。後者の場合、この文字並びが、組み版言語、または編集記述言語(Markup Language: ML)です。
2010.6 橋梁&都市PROJECT

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