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6. 文書の作成技術

6.6 組み版言語


6.6.2 編集用のソフトウエアを使う

 新聞・雑誌の出版社は、編集作業を事務所の環境で行いますが、印刷・製本は専門工場で行わせるのが普通です。組み版の作業は、鉛の活字を使った伝統的な方法が電子組み版に代わってきています。一般ユーザは、自分のパソコンでも同じような組み版と印刷ができるようになりましたが、これがDTPです。組み版は、英語でtypesettingです。古典的な編集作業は、編集者が作者の原稿用紙に赤鉛筆などで組み版の指示を記号で書き込んで組み版工場に送ります。ここで使われる記号体系が編集校正記号です。この英語がmarkupです。コンピュータを利用した電子組み版は、モニタ上で完成したページのイメージをグラフィックスで表示しておいて、GUIの環境で書式とレイアウトを整える作業になりました。そのため、編集記述言語を眼で見ることはありません。編集記述言語は特殊な構成ですので、これを含む全体のファイル構造は、モニタに文字並びを表示する編集用ソフトウエアと密接な関連があります。最も単純なソフトウエアが、通称で言うテキストエディタです。ソフト名はWindows系ではNotePad、日本語名では「メモ帳」です。特別な編集記述言語ではなく、改行・復帰などのファンクションコードだけを認識して文字を表示します。一太郎、WordPad、MS-Wordなどは、ワードプロセッサに分類され、編集記述言語をバイナリー形式で組み込んだファイルを使います。LaTex用文書, HTML文書は、編集記述言語もアスキーコードで挿入したファイルを使いますので、テキストエディタを使って中身を見ることができますし、編集もできます。重要なことは、通信回線に載せて送信できることを考えていることです。
2010.6 橋梁&都市PROJECT

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