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2. 日本語文書の構造

2.4 標準的な語順


2.4.3 状態と性質を説明し補足する語が形容詞と副詞

 文の主役は、名詞と動詞です。名詞は主語と目的語に使います。単独に名詞だけを使うのではなく、幾つかの説明を補足する語を従えて名詞句、またはずっと長い文として名詞節を作ることもあります。名詞を補足する、または修飾する語が、形容詞の大枠に分類する語です。形容詞は、名詞の直ぐ前にきますので、形容詞が現れたら名詞が続くとの予測が働きます。ただし、ラテン系の言語は、形容詞を名詞の後に続けるのが標準です。副詞は、動詞を修飾する語ですので、同じく、動詞の直前に置きます。こちらも、副詞が現れたら動詞がくるものとの予測が働きます。英語もこの語順が標準ですので、構文として主語に続く語順が標準です。副詞を文末に補足的に使うことがあります。このときは、コンマで切って繋ぐ使い方をみます。日本語の形容詞と副詞は似た使い方をしますので、同じ語幹で、例えば「美しい花」「美しく咲く」のように使い分けます。これを活用する語であると言い、動詞的に「花が美しい」のようにも言います。音声口語体では、動詞的な文末は座りが悪いので、「美しいです」のような言い方をします。文章口語体では、この言い方も馴染みませんので、筆者は形容詞そのものを使うことを避けて別の言い換えをしています。形容詞と副詞とは、定量的な表現が曖昧になりますので、論理的な文章ではできるだけ使わないようにします。新聞、ニュース報道、法律に絡む文章、学術論文は、量的に定義ができない限り、意識して形容詞と副詞を省くか制限します。コンピュータのプログラミング言語に、形容詞と副詞は一切ありません。楽譜は、調子を指示する語、例えば図2.1にあるgraziosoのような形容詞の記入がありますが、テンポのAndanteには大体の定量的な基準があります。
2010.2 橋梁&都市PROJECT

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