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2. 論理演算

2.4 変数を二つ使う演算


2.4.6 演算子には対称・非対称の区別と優先順位がある

 二つの変数を使う演算は、二変数の間に演算子を挟む書き方をします。この演算で、変数の書き順を左右入れ換えても結果が同じであれば、この演算子は対称であるとし、同じにならなければ非対称であるとします。算術の演算子では、引き算記号と割り算記号とが非対称の演算子です。論理演算では、内含が非対称な演算子です。英語の環境では、演算子を使わないで、if-thenで書きます。一価関数y=f(x)は、xからyへの向きの演算ですので、非対称の演算の約束をしています。したがって、これに演算子記号を約束すると、非対称の性質を持ちます。実際の演算処理を考えると、変数を表記してから、それに続けて演算子を書くのが理屈なのですが、代数式では演算子記号を先に書きます。算術計算では−記号、論理式ではNotを表す記号です。この書き方の約束は、他の演算に先だって、最高の優先順位で実行させることを意味しています。論理式では、否定の演算子の優先順位が最も高く約束します。否定を表す上横線の書き方は、その線で繋げた全体を先に計算しておいてから否定の演算をする約束です。否定の演算子、例えば¬を使うときは、否定する式全体を括弧で括っておいて、その括弧の先頭に演算子記号を付けます。もうひとつ、イコール記号「=」の使い方があります。数学式では左右を入れ換えても意義としては同じです。しかしプログラミングでは、=を含む式は代入文とされ、右辺の演算の結果を左辺の変数に代入しますので、演算の流れは逆向きであり非対称です。論理演算では、等値であることを検査する演算子の使い方をするため、=に換えて≡を使いますが、こちらは対称な演算子です。ただし比較を行わせる演算と代入は、優先順位を最も低くしますので、これを使う場合には、比較計算をする演算の範囲を、あらかじめ括弧で括っておく書き方をして、計算順位の間違えを防ぎます。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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