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2. 論理演算

2.2 演算の表し方


2.2.2 演算の基本は二つの変数を使う

 数を扱う算術の算法は、加減乗除の四則が基本です。この処理を表すとき、二つの変数を仮に文字A,Bで代表させ、算術演算子(operator)の記号(+、−、×、÷)を挟んで、例えば「A+B」のように書きます。このとき、書き順違いの「A+B」と「B+A」とは同じ結果が得られます。これは交換法則または可換律(commutative law)が成り立つと言います。この性質があるとき、筆者は「演算子が対称である」の言い方を使います。引き算と割り算とは交換法則が成り立ちません。これらは、記号式の書き方の約束ですので、一意に結果が決まります。しかし、これを文章で表現するときは、英語と日本語のような言語違いと共に、書き順の違いで計算処理が変ることがあります。割り算「A÷B」の場合の英語の文章表現では、「A is divided byB getting C」と「B divides into A getting C」の言い方があって、変数A、Bの書き順が逆です。英語風の構造を持ったコンピュータ言語のCOBOLは、前置詞違いの二つの表現法を許しています。日本語で言えば、「A割るBはCである」の言い方に対して、「BをAに割り付けるとC個に分かれる」の言い方に当たります。後者の方は、殆ど使いません。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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