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2. 論理演算

2.1 文を記号化する方法


2.1.1 主語述語の揃った文を関数と考える

 「この花は赤い」という文において、(この花)を記号に置き換え、(…は赤い)の述語の部分を、記号で表し、「この花は赤い」を、Fxと書くとします。または、数学と同じように()のような関数形で表すと考えることもできます。このように扱うとき、関数論理系の用語を使います。このFxの表し方を命題関数と言います。なぜ関数と言うかの理由は、「真・偽」二種類のうちの一つを出力する関数の性質を持たせるからです。は、数学では変数ですが、論理関数の場合は変項と言います。代数の演算は、関数の値を別の変数に代入することをしますので、P=Fxと書く代入操作をして、Pを論理変数、または単に変数と使うことをします。Fxは、一つの命題を記号化する書き方です。読み方は、「である」です。日本語の言い方の順とは逆で、記号文字の表し方が英語流になっています。意味としては定義文または宣言文であって、述部の動詞が先行します。ここでの主語は、文法用語と異なる定義であって、主辞の用語が使われます。主辞が複数のときもあります。これを意識したのが集合論です。主辞は、名詞を当てるのが普通ですが、論理学では名詞の代わりに名辞の用語を使います。また、述語は動詞です。「である」は英語のbe動詞に当たります。日本語では、名詞で受けるか、形容詞の終止形の場合があり、これらも名辞の扱いをします。'>「のzである」のような文、さらには「とで決まる」のような文は、変項が増えた複合命題です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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