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3 浮世絵で技術情報を埋める

3.1 浮世絵の出版は情報産業であった


 浮世絵は、絵師・彫り師・摺り師、の3者が協力する技能集団で制作され、全体を版元が仕切り、4者で構成するシステムでした。これは、印刷物を出版する現代的な情報産業と、質的に同じ構成です。図版には絵師の署名があるのが著作権の宣言に当たります。残りの3者も、何らかの方法で図版に記されるのが普通です。現代では、写真に著作権を主張する事例が増えてきました。しかし、写真そのものの中、または余白に撮影者の氏名や日付などの記入が無いことで、利用者側で困ることも多くなりました。 
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2016」

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