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1. 身近な歴史としての明治以降

1.3 .開化絵は情報誌として発売された


 明治初年までの一般向け情報誌は木版刷りの瓦(かわら)版であって、浮世絵や錦絵もその範疇です。文明開化の時代、それまでの観光案内的な風景画の性格から、大衆受けを狙ったジャーナリスチックな画像情報誌の面を持つようになりました。これらを開化絵と呼ぶのです。読者の知的好奇心におもねるような、画家が想像を交えた構図も少なくありません。新聞の創刊は明治17年(1884)年です。これ以降、印刷技術とモノクロ写真が実用されるようになったこともあって、開化絵は終わりの時代に入りました。それに代わるのが写真を使ったグラビア情報誌です。カラー版は、大正の初め頃に創刊されました。マスプロアンテナ美術館の資料は、文明開化時代の画像情報がまとめて残されていることに特徴があります。最後の第5章に、橋の話題に視点をしぼって、サムネイルを付けた解説をまとめました。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2016」

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