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14. アーチ橋の計算

14.3 アーチ系橋梁の構造力学


14.3.1 アーチ系橋梁は7種類

 橋梁工学の解析の見方では、アーチ系の構造分類は、図14.4と図14.5に示すA〜Gの7種類が対象です。アーチリブがソリッドかトラス組みかの区別をしません。広く見れば、アーチ橋には、トラスアーチ橋、ニールセンアーチ橋も含めます。しかし、橋梁工学的には、アーチ系橋梁と言うときは明確な定義があります。それは、アーチリブに作用する圧縮力で見たとき、その水平方向の成分(水平反力)が支間方向に一定であることが条件です。トラス構造は斜材があって、アーチ状に見える弦材の、水平反力の大きさが支間方向に変化します。図14.4〜図14.5には斜めの部材が描いてありません。垂直材も細く描いてあります。ここに曲げ剛性の大きな部材を使い、上下で剛に結合させるとラーメン構造になって、水平反力が支間方向に変化します。一般の人に説明するときのアーチ形式の分類としては、材料種別と共に、上路・下路の区別、アーチリブがソリッドかトラスかの区別、までで済ませます。設計上の区別として、ランガー、ローゼ、タイドアーチの呼び名も使います。特にランガー形式の場合には、水平桁部分の構成が、ソリッドリブかブレースドリブかを区別するため、ランガー桁、ランガートラスの言い方をします。
2010.10 橋梁&都市PROJECT

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