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13. 連続桁の計算(続)

13.1 古典的な不静定問題


13.1.3 コンクリート桁の支持方式には注意すること

 橋としてならば、桁端に自由な長さ区間を取る、図13.1のような構成をしません。人工の石材である鉄筋コンクリートで橋の主構造を構成するとき、工場でRC桁、またはPC桁(プレハブ桁:pre-fabrication)を製作しておいて、それを架設位置に運搬するとき、図13.1のような仮の支持方法も現れます。通常の建設では、架設位置でコンクリートを打ち込んで桁に成形しますので、運搬のことを考えません。しかも、不静定構造になる連続桁で設計することを敬遠し、次善の解決として静定構造であるゲルバー桁に構成する傾向がありました。主構造を連続桁に構成するときは、変形能の大きい鋼桁で設計するのが普通です。一方、道路橋の床版は、コンクリート橋、鋼橋ともに、鉄筋コンクリート版(スラブ)で施工するのが一般的です。このスラブは、縦桁・横桁で弾性的に支持された連続版です。これも、実践的には連続梁として設計します。したがって、床組の支点間に相対的な撓み差があっても、応力が過大にならないようにする、適度なしなやかさが必要です。この判断には曲げ応力度の計算と同時に、撓みの計算を踏まえます。応力度だけに注意すると、撓みが大きくなる傾向があり、逆に、拘束の大きな個所は、過大な応力が発生することがあります。どちらも、現象としては疲労亀裂が観察されます。これは鋼床版の設計のときにも問題となります。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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