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12. 連続桁の計算

12.5 応力の影響線


12.5.6 等断面等径間の場合の式

 連続梁の計算をする場合、複雑な条件を考える前に、なるべく単純化した力学モデルを扱うことを薦めます。等断面で等径間の連続梁モデルでは、式12.3のマトリックスの係数が(1,4,1)になります。この形の係数マトリックスは、第6章格子桁の計算の中で、式(6.8)で紹介したものと同じです。

式12.3の逆変換の形を下のように表します。

式12.5のマトリックスの行成分(列成分でも同じです)は、不静定力の組みを表します。この力を静定基本系に作用させると、或る個所の不静定力である曲げモーメントMiの位置だけをヒンジにして、そこでの変位θiだけが単位(=1)となるような梁の変形が計算できます。また、全体変形を一定倍して、Mi=1がヒンジ位置に作用するとしたときの変形量(回転角φ)の計算ができます。等断面、等径間、三径間連続桁では、不静定次数が2です。この場合の式12.4と、その解の12.5は簡単に求まります。


上の二つの式のマトリックスの係数から、M1=1、M2=-1が作用すると、θ1=L1/2EJ0、θ2=0となることが導かれ、梁の変形が図12.12のようになります。

図12.12 中間支点上でヒンジを挿入し支点モーメントを作用させる力学モデル
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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