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11. 小径間吊橋の計算(続)

11.2 支点反力の計算


11.2.1 支点反力の計算はやや特殊になること

 吊橋だけに限らないのですが、桁構造の端は、境界条件を考える分だけ特殊です。支点反力は、その力方向の変位が0の条件ですので、反力の計算は、釣合い条件を主に使います。不静定構造物では、支点反力を不静定力に選べることがあります。この場合には、反力の作用方向に仮想の変位を起こすような力学系を考えます。これを静定基本形と言うことがあります。吊橋では、ケーブル水平反力の計算のときに、この方法を利用します。補剛桁の支点反力は、桁の、剪断力を計算することに代えて求めます。剪断力は、単位集中荷重が桁上を移動するとして影響線の形で求める必要があります。桁の剪断力図は、桁の変形wの三回微分形から、Q=−EJw’’’で求めます。変形の基本式は前の第10章、式(10.5)で紹介したように、引張軸力を受ける梁の解を、外力分と不静定力分とを求めて加算します。
2010.2 橋梁&都市PROJECT

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