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10. 小径間吊橋の計算

10.4 階差式を使う表し方


10.4.4 格点での曲げモーメントを階差式にまとめる

 補剛桁の曲げモーメントは、変位wを二回微分して(−EJ)を乗じて求めます。格点位置だけで曲げモーメントを求めるときは、式(10.8)と(10.11)を応用します。階差式にまとめるときは、便宜的に中央格点jをx座標の原点に考え、左右格点の座標位置i,kでの値は、x=−λ、x=+λを代入します。集中荷重の無い区間は式(10.8)を使い、右格点は、中央格点に載る集中荷重よる曲げモーメントの追加分の作用を式(10.11)で加えます。中央格点での曲げモーメントは、相対的に左右の格点の曲げモーメントとの差ΔMで考えます。求める階差式は、二回微分に相当する二階の階差式です。

定数項R2は、式(10.8)で、中央格点(x=0)での曲げモーメントがMjであることを代入して定めます。

定数項R2を消去すると、MとPと関係式の階差式表現が得られます。

上の式は、軸力を受ける梁モデルで、格点に作用する集中荷重による曲げモーメントを求める連立方程式を一行に集約した表し方です。構造力学的に言うと、モーメント釣り合い条件式です。視覚的に理解するには、マトリックスを数表の形になるようにすると分り易いでしょう。

式(10.17.1)は、マトリックスの形にしましたが、代数的には変数Mの連立方程式です。代数的には消去法で簡単に解くことができます。マトリックス算法は、左辺のマトリックスの逆マトリックスを求めて、右辺の単位マトリックスをその逆マトリックスと置き換えます。MS-EXCELは、逆マトリックスの計算ができる関数MINVERSEが便利に使えるようになりました。この逆マトリックスをTMと略記し表現を下に示します。ここで求めた曲げモーメントの解は、式(10.5)の@の場合です。Aの場合の解は、撓みの解と共に、後の10.5節で説明します。
2010.1 橋梁&都市PROJECT

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