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10. 小径間吊橋の計算

10.4 階差式を使う表し方


10.4.1 マトリックスの算法につなぐ

 連続体の解析を理論的に考える出発は、微小な範囲での条件を基にした微分方程式を考えます。この方法は、全体のどの部分であっても正確に解を求める手法として意義があります。しかし、この結果を応用して、具体的に数値計算をするときは、注目点を飛び飛びの(離散的;discrete)位置で扱います。そうであるなら、最初から飛び飛びの位置での厳密解を求める方法を工夫すると便利です。この手法の一つが、微分方程式に代えて階差式の形で扱うことです。階差式が表に出ない場合、また、階差式で表すことに幾らか無理がある場合、マトリックスで表すことが多くなりました。これらの離散化手法は、コンピュータを利用するようになって、連続(アナログ)事象をデジタル化することと、ほぼ同義に理解されます。コンピュータを利用する連立方程式を解く計算法は、線形代数として扱うようになりました。マトリックスの形で式を整理するとき、階差式に原点のある計算式が多く利用されます。
2010.1 橋梁&都市PROJECT

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