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9. PC桁橋計算エクセルSoftの解説

9.3 全体構造系の仮定


9.3.3 捩れ剛性の見積もりと分配計算が必要

 桁橋全体の捩れの性質を求める最も実用的な仮定は、全体を均質な直交異方性版にモデル化することです。ギヨン・マソネ法は、コンピュータが便利に利用できなかった時代、微分方程式から出発して実用的な分配計算にまとめる実践的な方法です。手計算で処理するにはかなり面倒ですが、コンピュータによる設計計算が普通になると共に、この部分をコンピュータ任せにするようになって、言わばブラックボックス化してしまいました。計算手順を眼で追って確認することができませんので、数値計算技法の改良はなおざりになり、また理論式そのものを解説する技術参考書も殆ど見ることも無くなってしまいました。パソコンが普及して来ましたので、MS-EXCELを使って直接眼でみて確認計算をする方法ができるようになりました。後先になりましたが、この部分が前章の解説です。ギヨン・マソネ法は、スラブの横幅を8等分した注目点で計算しますので、主桁位置での分配を計算するとき、内挿計算をしなければなりません。前章で紹介した階差式で整理した計算法では、主桁本数にあわせた等分座標で計算する方法ですので、この内挿計算を省くことができます。以下に示す計算は、5主桁の分配計算に使うため、幅員方向を10等分して計算をした上で、主桁位置を偶数番目の格点で考えてあります。主桁本数の2倍で等分計算をするのではなく、例えば5等分で分配計算をしておいて、主桁位置が格点の中間にあるとして、左右の格点位置での分配の平均値を使う、とする考え方もあります。いずれにしても、数値計算は、理論的な厳密性にこだわらず、分配の傾向が分るように整理します。
2009.12 橋梁&都市PROJECT

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