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2. 単純トラス橋の力学

2.3 トラスの力学


2.3.5 座屈長を短くする二次部材

図2.6 上弦材の座屈長を短くする水平構
 圧縮材と組み合わせて使う二次的な部材は、圧縮材となる一次部材(主構造部材)の耐力を確保するために、一次部材の座屈長を短くするために用いられます。例えば、圧縮力を受ける上弦材は、図 2.6 に示すように、側面図はパネル長さλですが、平面構造では、座屈長をλ/2になるように、上横構を組むことがあります。英字の字形Kと似た組み方をKトラスと言います。斜材や垂直材には、二次的な部材を追加して座屈長を短くする構造があります。図2.7は、ゲルバートラスの中間支点回りで二次部材の例です。力学的には、これらの二次部材には応力が働きません。これらの二次部材の断面は、最大細長比の制限で決まる断面二次モーメントを持たせます。垂直材を使うワーレントラスは、この見方をすると、垂直材の効率が良くありませんので、垂直材を使わないワーレントラスで設計する方が、景観的にも好まれています。斜材をX形に組む構造もあって、水平構などに見られます。力学的には不静定トラス構造になります。設計計算を簡単にするため、X形の構成部材のどちらか圧縮材になる方の部材を無視して静定トラスとして計算します。この形式を、俗称でダブルワーレンと言います。

図2.7 ゲルバートラス中間支点部の二次部材
2009.5 橋梁&都市PROJECT

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