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2. 単純トラス橋の力学

2.3 トラスの力学


2.3.3 トラスの荷重は格点に作用させる

 トラスの構造解析では、荷重はすべて格点に集中荷重を作用させ、弦材を梁として使いません。この仮定に沿う様に、トラス橋の活荷重は、床版・縦桁・横桁を順に介してトラスの格点に伝えます。これを間接荷重と言います。トラスの影響線を求めるとき、間接荷重の力の掛かり具合を考えた補正を必要とすることが、梁の影響線の場合と異なるところです。例えば、支点から最初のパネルに載る荷重は、縦桁を介して半分が支点の方に直接伝えられ、半分がトラス本体の第1格点に作用します。トラス弦材自体の重量は、それ自体に曲げ応力を発生しますが、トラス全体の応力計算には両端の格点に分けて作用させます。構造物は荷重によって変形します。トラスでは、荷重の作用前と作用後で部材の向きが少し変わります。厳密に考えると、釣合い条件は変形後の形状で計算しなければなりません。しかし、実践的には、変形が極端に大きく出ないように、示方書には撓み制限のしばりがありますので、変形の影響を無視することができます。
2009.5 橋梁&都市PROJECT

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