4.2 コンソールウインドウの画面設計

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 多くのアプリケーションプログラムは、そのプログラムが立ち上がったときにタイトル画面を表示してユーザの指示を待ちます。このデザインに凝り出すとキリがありません。DOSの場合の実用的なプログラムでのタイトル画面を、VB版に書き直したソースコードを下にリストします。これは、標準モジュールのCRTdesign.basに入れてあります。このモジュール名は同名のものが他のプロジェクト(開発単位の名称)でも使われていますが、中身はプロジェクト単位で異なります。

Public Sub CRT01()
    Istatus = 1
    FormConsole.Picture1.Cls
    FormConsole.Picture1.Line (0, 0)-(639, 399), 0, B 'F
    FormConsole.Picture1.Line (32, 32)-(607, 368), 0, B 'F
    FormConsole.Picture1.Line (40, 40)-(600, 43), QBColor(7), BF
    FormConsole.Picture1.Line (40, 43)-(43, 357), QBColor(7), BF
    FormConsole.Picture1.Line (597, 43)-(600, 357), QBColor(7), BF
    FormConsole.Picture1.Line (40, 357)-(600, 360), QBColor(7), BF
    Nlocate 73, 0: FormConsole.Picture1.Print ""
    Nlocate 25, 5: FormConsole.Picture1.Print " Visual Basic 6.0 によるグラフィックス"
    Nlocate 25, 7: FormConsole.Picture1.Print "         VB-Graphics"
    Nlocate 25, 9: FormConsole.Picture1.Print "  Original Version 1992 in Quick-Basic"
    Nlocate 25, 10: FormConsole.Picture1.Print "   伊藤義人、坂巻和男, 山海堂, 1989"
    Nlocate 25, 13: FormConsole.Picture1.Print "  VB-Ver 2.00, 2003, 島田静雄 "
    Nlocate 25, 15: FormConsole.Picture1.Print "---------------------------------"
    Nlocate 32, 20: FormConsole.Picture1.Print "次 --> 【OK】";
End Sub

 上のプログラムリストの解説をします。VB_Graphicsを立ち上げますと、種々の準備処理の最後に、このプロシージャに入り、コンソール画面に上記のPrint文、Line文で画面表示がされます。このレイアウトは、N88-Basicでの例を参照して作成したものです。ただし、Cls文、Print文、Line文などは、フォームの名称と、それに載せるオブジェクトのピクチャー名FormConsole.Picture1. で修飾され、Locate文がNlocate文に書き換えられています。Nlocate文の説明は、次ページで解説します。

 最初の文の、Istatus = 1 は、プログラムの状態(status)を識別するコモン変数です。もし画面の書き換えのイベントが発生したら、画面の再描画を Paintプロシージャに依頼するのですが、幾つかある画面表示のプログラムの中から、この CRT01を呼び出す Select/Case文 を機能させる目的があります。

 Line文はグラフィクスのメソッドです。ここでは640×400の画面範囲の外枠と、その内側に額縁状の二重枠を描きます。文字の<S01>を右肩に表示しますが、これはプログラミングの際の管理用に付けたものです。

 Nlocate文は、文字列の書き出し位置(X、Y)を指定するものです。座標は文字寸法単位ですので、N88-Basicのエミュレータの場合、Xは(0-79)、Yは(0-24)の範囲になります。

 このプロシージャ CRT01を表示すると、VB_Graphicsはユーザーのイベント待ちに入ります。ユーザーのイベントとは、子ウインドウのどこかをクリックして表示画面を替える;メニューバーで何かのメニューを選択して実行させる;などがあります。標準の操作の指示は、コンソール画面に表示します。ここでは、親ウインドウの下にあるパネル番号で、【OK】をクリックしなさいと指示しています。VB_Graphicsの実行では、このような説明画面は、少々おせっかいな面もあり、使い方に慣れれば無くても構いませんので、最小化ボタンで片付けても問題はありません。ただし閉じるボタン×はプログラム全体の終了を指示するので、作業ウインドウを消去する目的ではありません。


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