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3. 演繹と証明の実践的方法

3.3 プログラミングを利用する演繹


3.3.1 論理変数を明示的に使うことはあまりない

  プログラミング言語 Visual Basicを利用して論理解析に使う例は、数値の大小関係を判定するときが普通です。プログラミング言語に論理型の変数が定義できるとは言っても、実践的なプログラムでは殆ど表(おもて)に現れることはなくて、内部的に使われています。例えば;
    If A=4 And B <9 Or C >= 3 Then ...
のような構文は、下のような論理式の集合と解釈されます。
    If {((A=4) And (B<9)) or (C >= 3)} Then ...  
さらに、これらの論理式を内部的に個別の論理変数に変えます。
    If ((L1 And L2) Or L3) Then ...     括弧内を先に計算して処理を進めて、
    If (L4 or L3) Then ...           最後に
    If (L5) Then ...
の形にして条件の True/Falseを得て制御に使います。この演算の( )の部分に論理式を判断して論理変数に変えているのですが、一般的には論理変数が介在していることに注意しません。この演算を組み立てるとき、実は、演算の順序、または優先順位の約束が必要です。括弧を使わない式の形から演算順序を組み立てるとき、コンパイラは、演算子の優先順位を考えて内部的に括弧を補った式に直します。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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