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2. 論理演算

2.5 変数を三つ以上使う演算


2.5.4 括弧を使うときの実用的な規則

 数値計算を実行するとき、最も自然に評価できる式の書き方は、左から右に文字並びを見て、その順に計算が実行できるときです。この節の始め、第2.5.1項で挙げた例題「5+(3÷2×7)」の場合は、5の足し算を保留しておいて後から足すか、電卓の場合にはGTを一つの足し算用のバッファー(一時的な記憶領域)に使うことができます。式を評価するとき、左括弧が現れたら、一旦処理を中断して、そこまでの処理が再開できるように保留しておいてから、改めて括弧の内側から文字並びの解読を0から始めます。括弧で括ることは演算手順を入れ子状に構成することです。左括弧は、演算子と考えることができて、その優先順位は、代入演算子「=」の一つ手前の最低位です。左括弧が複数連続すれば、その順で入れ子の構成が深くなります。右括弧は、最後に現れた右括弧の対となる演算子であって、優先順位は最高位で扱います。これが現れたところで、括弧の内側を計算し、その結果を持った仮の変数に置き換え、当該の括弧の対を消去します。同時に、入れ子構造では一段解上の保留状態に復元し、そこから処理を再開します。言葉で説明するとくどいのですが、実際の作業で混乱することはありません。括弧に括る演算単位は、二つの変数と一つの演算子を使うのが基本です。そして、明示的に括弧を使って計算式を書く場合にも、この形でまとめるようにします。例えば、上の算術式は、「5+((3÷2)×7)」」または「5+(3÷(2×7))」と書くことができます。二通りの書き方ができる理由は、演算子×÷が優先順位で同順位だからです。ここまでの説明は、次項から始める、論理変数三つ以上を使う論理演算の組み立ての予備知識であるとして理解して下さい。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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