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2. 論理演算

2.5 変数を三つ以上使う演算


2.5.2 コンパイラは文字処理のプログラムである

 パソコンを使って数値計算をさせるときは、何かのプログラミング言語を使って文字で書いた代数式を解読させて、実行形式のプログラムに翻訳(コンパイル)して計算させます。つまり、コンパイラは文字処理のプログラムです。パソコンで行わせる数値計算の機械的な手順は、電卓の動作手順と全く同じです。電卓では手作業でレジスタに数値をセットするのに対して、パソコンでは数値が格納されたメモリからデータを作業用レジスタに読み込む機械語の命令があります。途中の計算結果を一時的に保存する作業用メモリも複数使うことができます。計算結果も、或る特定のメモリに転送させます。これを代入と言います。具体的な数値をあらかじめメモリに読み込ませておくことと、結果を眼に見えるようにモニタに表示させるか、印刷で得るために、入出力の命令が別に必要です。この操作をすること全体がユーザインタフェースです。変数文字と演算子記号の並びで書かれたプログラム文を解読して機械語の実行手順に構成するとき、コンパイラは演算子の演算順序を勘案し、擬似的に括弧を挿入したような文字並びに換えます。このアルゴリズム(算法)の組み立ては、プログラミング言語の提案をするときに工夫が必要な個所の一つです。そうであっても、数値計算をさせるプログラミングは、元の式に括弧を明示的に使うようにして、計算手順が文字並びと違って前後しないように書くことが望ましいのです。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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