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4. データベース入門

4.1 英語用語の理解から


4.1.1 DBMS

 第2.6節の最初の段落に、structureを説明する例として、SQL (Structure Query Language)の紹介をしました。SQLは、それを利用する親言語にCOBOL(1959)を主に使うことが意識されましたので、それに追加する機能として1986年に規格化されました。COBOL本体は、既に、良く設計された言語として利用されていましたが、データベースの処理ができる予約語の追加が必要になったからです。COBOLが提案されてから25年も後になりましたが、これには幾つかの理由がありました。SQLは、コンピュータ側から見れば、サブルーチンや関数プログラムです。ファイルの高度な使い方が必要ですので、装置依存のプログラミングをしなければなりません。種々のファイル装置を使うとき、装置が変る度にプログラムを書き換える面倒さを避けるため、プログラムの中では抽象化した装置(デバイス)でデータを読み書きし、そこからソフトウエアとしてのデバイスドライバ(device driver)を介して、物理的な装置の読み書きをします。デバイスドライバを管理するのがOS(オペレーティングシステム)です。したがって、SQLを追加して利用するにはOSの機能を強化しなければなりません。このソフトウエアがデータベース管理システム(DBMS: DataBase Management System)です。これは、OSの機能と密接に関係します。特にファイル装置に依存する度合いが大きいことが特徴です。ファイル装置をオブジェクト扱いにした、オブジェクト指向プログラムと理解することができます。パソコンで、例えば、EXCELやACCESSを利用しようとするとき、OSのバージョン違いで読めなくなることがあります。このような裏事情がありますので、一般ユーザは、データベースソフトの作成に直接挑戦するのではなく、専門のプログラマと協力する方法を考えるのが良いでしょう。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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