実用文書のまとめ方

(初版:2001-08-09、改版:2011-04-8)

著者 : 島田 静雄

科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市PROJECT: 2011」(ISSN 1344‐7084)

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0. はじめに
 現代は、人と人とが直接逢って話しを決めたり、電話で用が足せることも多いので、手紙を始めとして、形式を整えた文書の書き方に経験の浅い人が多くなりました。紙で伝える手紙などに代わって、コンピュータの画面で見る電子メールの利用も増えました。しかし、私的なおしゃべり感覚で文章を書くことが多くなって、文書としてのマナーに欠ける例も眼に付くようになりました。では、どのように改善するのがよいかについての、系統的な教育の機会は殆ど無かったのが今までの現実です。文書にまとめることは、当面の問題についての知見を文章にすることに加えて、書類としての形式を整えたり体裁に注意したりする実践的な技術が必要です。知的な業務ではレポートや報告書が価値の対象になりますので、注意深いまとめ方が必要です。文書を作成することは非常に日常的な活動ですので、かえって教育問題として捉えるのが難しい面を持っています。この教材を5グループにまとめました。具体的な話に入る前に、そもそも文書作成にはどのような課題があるかを概観することから始めます。これが、第T部「序説」の目的です。第U部と第V部は、出版物に原稿を提出するときの投稿規則に当たります。日本語用と英語用とをまとめました。第W部と第X部は、具体的な文書作成の演習です。この部分は、或る私立大学で、プログラミング入門を教えるときに使ったテキストです。文書作成には、非常に多くの参考データが必要です。これを付録としてまとめました。

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