土木工学と安全

著者 : 島田 静雄

株式会社 山海堂 雑誌「土木施工」(1974.4〜1976.9)

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はじめに
 このWEB版の原稿は、山海堂の雑誌「土木施工」の連載講座として、1974.4〜1976.9の足掛け三年、19回に分けて連載したものです。この元になった資料は、筆者が名古屋大学の助教授時代、大学院学生を対象としたセミナーを目的として集めた資料です。連載の完結を待って、全体を通した講義テキストとしてコピー版を作り、その後のセミナーの受講学生に配布してきました。連載中は、多くの方からの反響がありました。しかし、雑誌の記事は、著作権で保護されているとは言え、一過性の情報の性格がありますので、読者が図書館などでのランダムな検索の手段で見つけることができません。筆者としては、単行本の形式で発行できれば、と思ってはいましたが、1970年代は、まだ原稿作成の電子化が未開発でしたので、余分な作業に手を割くことができませんでした。。

 2010年度から、出版関係は電子出版を模索した努力をする時代に入りました。電子出版のアイディアは古くからあったのですが、安価な携帯端末が利用できるようになって、読書の形式が多様になってきました。実を言うと、この傾向は10年前から予測されていました。筆者は、この先取りとして、三種類の発表形式を試してきました。一つ目は、雑誌の記事としての形式です。この書式は、2段組みです。この原稿には、MS-WordでA4版一段組みで作成してきましたが、そのままで体裁のよいレポート形式になるように注意して編集してあります。雑誌型式と異なるのは、カラー版のイラストや写真が使えることです。この形式のままインターネット上で発信するものが二つ目の形式のPDF版です。すこしページ数が多くなりますが、ユーザは、これをダウンロードして印刷して見ることができます。プリンタをお持ちでなければ、原稿ファイルをUSBにして持ち込めば、簡易製本までサービスしてくれる街中の印刷屋さんが見つかりようになりました。

 三つ目は、パソコンの画面でランダムに項目がアクセスするように、章・節・項単位でリンクを張ったWEB版です。この利用方法を考えて、筆者の原稿は、約600字程度のパラグラフ単位分けてあって、インターネットでのアクセス速度が速くなるように、一つのパラグラフがパソコンの一画面に入るようにしてあります。目次と索引とを参照すれば、かなり便利な検索が使えます。

 この「土木工学と安全」では、上の三つ目の形式に代えて、写真版での発信方式を採用しています。元になった原稿は、テキスト形式のファイルが全くありませんので、雑誌記事のページ単位をスキャナーでグラフィックスデータとして取り込み、前後のページと目次とのリンク情報を付けただけのhtmlファイルの集合にしてあります。これは、現在の時点で問題にしている電子出版の発信形式と同じです。文字が読める最小の解像度で元の原稿を取り込むため、1ページ単位のグラフィックスファイルの寸法として200 KB以下に抑えてあります。全体として約80ページ分を一単位のPDFファイルには未だ作成してありません。その理由は、科学技術関係の文書では、目次や索引を参照して、ランダムに項目を探して目的のページを読む使い方を考えたためです。しかし、まとまったページとしてハードコピーを手元に置いておくことも必要になると思いますが、この点についての対応は検討中です。、  筆者が作成した種々の技術資料のWEBサイトは、差し当たり下記にしてあります。
http://www.nakanihon.co.jp/gijyutsu/Shimada/shimadatop.html


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