A9. 制御コマンド

前のページ次のページ
9.1
制御コマンドとは、元となるオペレーティングシステム(OS)に依存して、仕様に制限を伴うコマンドを言います。特に、プログラムの開始、終了、割り込み、エラーによる中断とその回復などに関係します。
9.2
NUCE_BASICの実行時は、四つの状態(モード)があります。
(1) 直接モード(direct mode)。コマンドの入力を待ちます。
(2) 編集モード(edit mode)。自動的に行番号を発行します。
(3) プログラム実行モード(run mode)。メモリに保存されているプログラムを実行する。
(4) バッチ処理モード
9.3
直接モードは、最も基本的な状態です。NUCE_BASICは、コマンドラインにプロンプトを出力し、ユーザーのキーボード入力(及びマウスからに指示)を待ちます。他のモードになるときは直接モードから入り、そこからは必ず一度直接モードに戻ります。
9.4
NUCE_BASICの実行終了は、直接モードでENDコマンドを入力します。[備考:ENDに代えて、SYSTEMまたはQUITその他の方法(Windowsなどで)を用いることがあります。]
9.5
AUTOは、直接モードから編集モードに切り替えるコマンドです。NUCE_BASICはプロンプトに続けて自動的に行番号を発行し、プログラムステートメントの入力を待ちます。番号の出力とプロンプトのデザインはシステム仕様の影響を受けます。
9.6
編集モードから直接モードへ帰るためのコマンドはEXITです。[備考:BREAKやSTOPなどをキーボードの特殊キーに割り当てることができるのはシステムに依存します。]
9.7
プログラム実行モードへ制御を渡すコマンドは、次の三つです。
(1) RUN:(データや変数などの作業域を初期化して実行
(2) GOTO line-number:(データや変数などの作業域を初期化しないで、行番号から実行)
(3) CONT:(STOPコマンドで中断した次から実行の再開)
9.8
プログラム実行モードから直接モードへの復帰は次のときです。
(1) プログラムの実行がEND文を読んだとき
(2) プログラムの実行がSTOP文を読んだとき
(3) プログラムの実行が最終行を超えたとき (4) NUCE_BASICで判断したエラーが生じたとき
9.9
プログラムが無限ループに入って出られないときなど、途中でプログラム実行モードを出たいとき、NUCE_BASICには適切な方法がありません。
9.10
バッチ処理モードとは、ユーザーが直接キーボードから文字データを入力することに代えて、あらかじめテキストファイルに作成した文字データを読み込んで実行させるモードを言います。デモンストレーションや、教育に応用する際、ユーザーが直接コンピュータを操作する必要がありません。バッチ処理には、例えば次の二つの手段があります。
(1) 直接モードで、>DECK "ファイル名"と入力する。
(2) MS-DOSのOSの下で、例えば、NBASIC<DEOMOFILE とする。
9.11
NUCE_BASICは、ホストコンピュータと通信回線で結んだリモートターミナルで利用することも考慮されています。エコーとは、キーボードまたはバッチファイルからのテキスト入力の状態を監視するためエコーを取り、ターミナルにデータのリストを表示させる機能を言います。この機能をスタートさせるコマンドがECHON、停止がECHOFFです。初期設定はECHOFFです。
9.12
プログラムの実行モードでは、プログラムは行番号の順に実行されます。実行の順番が変更されるコマンドが幾つかあります。これらは次のステートメントです。
(1) FOR .....NEXT 文
(2) GOSUB .... RETURN 文
(3) GOTO文
(4) IF ... TEHN .... ELSE 文
9.13
プログラムが実行中、どの行が実行中であるかを知ることをトレースすると言います。この行番号をモニターにリストさせる機能を開始するコマンドがTRON、中止がTROFFです。初期設定はTROFFです。
次のページ