2.2 他の座標系で相対的に変換を指定する方法

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 あるモデルを変換、例えば平行移動、させたいとき、移動の向きと方向とは世界座標で考えるのが普通です。しかし、二つ以上のモデルがあるとき、一つのモデルの座標系で見た向きで、そのモデルだけでなく、もう一つのモデルの移動の向きを指定したいことが考えられます。これが、参照座標の指定の原理です。コマンドのPG***のパラメータで、変換させたいモデルの名前に続けて、変換を指定する座標系をモデルの名前で指定するようになっています。この名前が省略されていれば、世界座標が指定されたものとみなします。例えば、宇宙船の姿勢を制御したいとき、宇宙に世界座標系が指定されていたにしても、回りに手掛かりや目標の少ない宇宙空間では、宇宙船自体の座標軸を基準に変換を考えなければなりません。モデルが最初に作られたとき、その局所座標系は世界座標系と一致しています。そのときに考えた座標で移動の向きを指定します。このモデルが移動すると、原則として局所座標系も移動していますので、世界座標系での移動の向きは変ります。


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