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7. コンピュータグラフィックスの基礎

7.5 しきい値と言う概念


7.5.4 マンハッタン距離で計算する

 二点間の微小な距離をしきい値と比べるとき、俗称で言うマンハッタン距離を使うのが簡便です。ニューヨーク市のマンハッタン地区では道路が方眼状になっていますので、ある場所から別の場所までの距離は、東西南北の道路沿いで測ることから言う名称です。日本でならば、京都距離とでも言いますか。幾何学的な直線距離の計算では、座標値の成分間の二乗和と平方を開く計算がありますが、これを使いませんので、処理速度が速くなります。このときのしきい値を、東西南北に区切られた一ブロックの長さとすると、座標位置を実質的には道路の交点単位で考えることになります。これがデジタル座標です。コンピュータのモニタ画面は方眼状の点の集合ですので、正確な数学座標で作図しても、点の間隔よりも小さな距離であれば。二点に描き分けることができません。したがって、モニタの解像度と、描きたい図形の寸法とを勘案して作図の計画をしなければなりません。
2008.7 橋梁&都市PROJECT

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