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5. 土木工学と曲線

5.2 二次曲線と三次曲線


5.2.6 三次曲線の代数式

 二次曲線は、曲がる方向が一方側だけです。左回りから右回りに変わるように反曲点を持つS字形の曲線は、三次式を当てはめます。平面座標系での三次式の一般形は「y=ax3+bx2+cx+d」であって、4つの定数があります。構造力学で梁の変形を扱うときに三次曲線が現れます。曲線形を決定する4つ条件は梁の両端における曲げモーメントと剪断力とであって、これが幾何学的曲線の端部での接線方向と曲率を与える条件をモデル化します。Bezierの三次曲線は、端部での曲げモーメント(曲率)を0、端部での接線方向を決定するために補助的な2点を使うようにした曲線です。この中間の補助的な2点の位置を、曲線を3等分する点に選ぶと、一定断面の弾性梁の変形式とほぼ同じ式になりますので、見た目にも自然な曲線が得られます。スプライン(Spline)曲線は、複数の中間点を通る曲線です。力学モデルは、高さのまちまちな支点(中間点)を結ぶ連続梁の変形であって、支点間ごとに三次曲線になります。支点での連続条件は、接線(撓み角度)と曲率(曲げモーメント)が等しいとします。この数学的な解析では、端部で曲げモーメントを0とおいて、中間支点での曲げモーメントを未知数とする連立方程式を解きます。構造力学では三連モーメント式と言われるものです。この連立方程式を解くためのマトリックスは対角線とその両端だけの要素からなるバンドマトリックスになりますので、数値計算では簡単に解くことができます。例題のプログラミングと作図とを図5.1に示します。


図5.1 スプラインを描く
2008.5 橋梁&都市PROJECT

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