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3. 図形要素間の演算

3.7 干渉の計算


3.7.1 干渉の有る無しを数量化する

 二つの図形がどのような位置関係にあるかを、「干渉」の用語でくくります。この概念は漠然としていますので、考え方を整理してみます。干渉が有るというときの一般的な解釈は、交差が在ることです。「直線と直線、直線と円、円と円の交点」を求める計算が干渉計算の大きな柱です。これは平面幾何の場合です。立体幾何では、「平面と平面の交わりでできる直線、平面と直線の交わる点」の計算が基本です。計算幾何学的に扱うときは、直線・円・平面を代数式で置き換え、計算は、複数の数値を求める代数的な連立方程式を解く問題に変わります。複数の数値の一組を一まとめの変数で扱うのがGBASICの型の考え方です。この全体は、論理積の概念で理解します。中身の計算が連立方程式であっても、演算子を使う代数式の表記方法で表します。干渉が無い場合の判断は、例えば、平面幾何では、点が直線上にあるか、外れているかの判定の問題です。このとき、直線に向きを考え、その向きに対して相対的に左右(上下、内外と言うこともあります)の区別をした上で、点の位置を直線からの計算幾何学的距離で求めます。これは、スカラー値で求め、干渉の度合いを表すパラメータと考えることができて、符号の正負で左右を区別します。左右の区別は位相幾何学的な性質を表す用語ですので、初等幾何学では使いません。また、距離や角度を絶対尺度で測ることも初等幾何学では扱いません。相対尺度は使います。例えば、「三角形の重心位置は、頂点から対辺の中点を結ぶ線分の1/3に在る」のように表します。
2008.3 橋梁&都市PROJECT

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