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エクセルSoftの使い方

5. 印刷原稿の作成と管理


5.1 図の作成機能は十分ではないこと

 設計計算書では、当面の計算の内容を解説するため、簡単なイラストを挿入します。第1章に示した図1は、トラスの骨格を図示した例ですが、実際寸法と相似ではありません(俗にマンガと言います)。これは、寸法数値などをセルで表示しますので、それと位置合わせをするようにイラストを作図した原理的な図のためです。図作成は、EXCEL本体の図挿入メニューを利用します。実際構造の計算に利用する図は、別の作図ソフトで作成した図形データを貼り付けると良いでしょう。この場合には、図全体の大きさ、文字フォント、線の太細の程度などをバランスよく選択して作図しなければなりません。

5.2 印刷前にセル長さの不足を目で検査する

 印刷関係の機能は非常に微妙な調整を必要とします。セルの横幅寸法が表示したい文字列長さよりも短いと、#記号が表示され、予定した正しい印刷ができません。面倒でも全体を通して目で検査しなければなりません。モニタの画面では正常に表されていても、印刷プレビューでエラーになることがあり、また、実際のハードコピーの段階で狂うことがあります。

5.3 配布用には読み取り専用版で提供する方法もある

 再現設計計算の各種ソフトは、登録されたユーザに提供します。そのユーザは、それぞれの客先の注文に応じた計算をして印刷成果品を納入することになります。この成果品は、プログラミングやデータの変更ができない読み取り専用のEXCEL版にする方法と、印刷成果品として納める方法とがあります。読み取り専用版にするには、作業に使ったブック全体をコピーし、表題を変えた別のブックを作成します。また、EXCEL 2007以降のバージョンのEXCELを使う必要があります。左上のアイコンから配布準備→最終版にするの手順で処理します。この属性は、通常のファイルで読み取り専用に変更するのとは異なった属性ですので、この最終版を元の作業用の、読み書き可能なブックに戻すことはできません。

5.4 PDFを利用する

 EXCEL本体は印刷出力の機能があります。しかし、編集目的に使う印刷用の原稿、例えばMS-Wordのスタイルで出力することはできません。他の資料と合わせて一つのレポートに編集するには、全体を通したページ番号を付けて印刷した元原稿にまとめた上で、ゼロックスコピーで複数のれポートを作成します。全体を通した電子化文書にする方法の一つは、まず、シート毎にEXCELの印刷イメージをPDF形式のファイルに落とします。この変換機能は、別にアドインソフトとしてインストールしておきます。複数のPDFファイルをまとめて全体の通しページを付けて編集する作業には、専用のPDFソフトが必要です。これは単純なPDF閲覧ソフトとは別ですので、一般ユーザがいつも使えるとは限りません。

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