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4. 論理学の応用場面

4.2 論理パズル


4.2.2 問題と解答(変数1個の例)

盗まれた手紙(上の参考文献のQ76より)
これが盗まれた手紙なら、これは盗まれた手紙ではない。この前提から得られる結論は?

 この問題は、「これは盗まれた手紙である」を一つの命題変数Pとし、(P⇒)を言う文形です。日常の文形ではないので、論理パズルになります。これを、下の記号論理学の演算に直して演算します。

表4.1 (P⇒)の演算

手順番号

記号式と演算

 

 

演算結果説明

@

1

0

Pの条件

A

0

1

Pの否定

B

(P⇒

0

1

Pならばである

C

0

1

Qの否定形

D

(B∧C)

0

0

)と同値

E

0

0

Pの否定形

F

(B∧E)

0

0

Pの否定形と同値


 表4.1において、Pの取り得る真偽値が(1,0)の二種ですので、これを2列の真偽値表に並べます。演算は各列ごとに縦に進めます。このときの演算則は、表2.3の論理演算則の表を利用します。演算結果は、Dで2列とも偽(0)と判定します。これはPの否定ですので、「これは盗まれた手紙ではない」と推論することが解です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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