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2. 論理演算

2.3 変数を一つ使う演算


2.3.2 二値の論理学はNOTを一価関数で考える

 数の符号変換と似た形式論理学の演算に否定があります。ただし、この演算ができるのは二値論理学に限ります。多値論理学では、否定文を書くことはできますが、結果が一意に決まりません。例えば、ジャンケンで「グーではない」と否定しても、パーかチョキかは決まりません。二値論理学では、否定の演算は、「真・偽」を入れ換えます。ブール代数に応用するときは、数の「1,0」の対を「真・偽」の代わりに使いますので、偽の表現を0ではなく、−1と当てる間違いをすることがあります。数の大小関係を扱う集合論では、数の「負・0・正」の判定を使うこともします。これは三値論理学です。このときには「-1,0,1」で状態を表すこともしますので、それと混同しない注意が必要です。三値論理学の場合であっても、条件の「真・偽」の判断をします。このときに使う演算子を関係演算子と言います。「<、>、=」の他に「≦、≧、≠」を必要とします。これらの記号は、日本語の環境では全角の記号文字を使うことができます。半角文字を使うことを標準としている英字の環境では、二つの記号文字を並べて「<=,>=, <>」と書きます。関係演算子を使う式の全体は論理式の扱いをしますので、演算結果は二値論理の定数の「真または偽」を返します。このときに、数字の「1,0」を考えると、間違った判断をすることがあります。それを避けるために、プログラミング言語では、論理定数の文字記号「True,False」を表記に使う約束を決めています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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