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4. トラス橋計算エクセルSoftの解説

4.3 鉄筋コンクリート床版の計算


4.3.1 スラブの力学モデルは二方向版であること

 シート番号-2(例ではS31-2)は、鉄筋コンクリート床版の計算です。理論的な力学モデルは、弾性的な矩形の等方性板が、縦桁と横桁で支持された版(スラブ)です。通常、横桁間隔は縦桁間隔よりも広いので、計算上はスパン方向に対して幅方向は十分に広い版として扱います。自動車輪荷重の載荷は、スラブに縦横2方向に曲げモーメントが作用しますが、大部分の荷重は縦桁間隔をスパンとする桁作用で受け持ちます。自動車の輪荷重の接地幅と接地長が狭ければ、局部的に大きな曲げ応力になります。舗装厚による実質的な接地領域の広がりを考えることと、二次元的に幅方向にも荷重の分配効果が起こりますので、これらのことを総合的に考えて、設計計算は、単位幅(1m)の矩形断面の鉄筋コンクリート桁に作用する曲げモーメントの実用式を、示方書が提案するようになりました。輪荷重は、接地幅と接地長とが同じではありません。曲げモーメントの提案式は、この矩形梁の主鉄筋方向が、自動車の進行方向と直角である場合と平行である場合とを区別して提案しています。主鉄筋と直交する方向には分配鉄筋が必要ですが、これは二方向版とした曲げモーメントを考えます。
2009.7 橋梁&都市PROJECT

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