易しくない 論理学

著者 : 島田 静雄

科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」(ISSN 1344‐7084)

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前書き
 この報文の原稿は、学術レポートを作成するときの教材として作成した「実用文書のまとめ方」 の副読本として1993年に私的な教材として編集しておいたものです。実用文書を作ることは技術です。この技術には三つの要素があります。第一は、正しい文章が書けること、第二が文書の書式、第三が全体としての体裁です。第一の要素には、学問としての論理学(logic)や言語学(linguistics)の素養が大切です。これらの学問は、従来、文科系の専門と考えられていました。大学の教育現場では、レポートや論文の作成を指導しておかなければなりません。これらは、文学的で自己満足的な作品とは異なり、話しかける相手が正確に理解できることに目的がありますので、実用文書とくくります。実践的な作文指導の項目は、英語などの一般教養や、論理学の学問的素養を踏まえます。論理学については、理科系・文科系に関わりなく、実用を意識した参考書や系統的な教育カリキュラムがあるのが理想です。しかしその目的に沿うような、まとまった著作物が見当たりませんでした。そこで、1993年の時点で幾つかの書籍を参考にしてパンフレット「論理学アブストラクト」にまとめ、受講者に配布してきました。2000年以降、インターネットの利用が便利になりましたので、筆者が私的にまとめておいた教材をWEB版として順次発表しています。2010年からは、出版関係は電子出版を模索して努力をする時代に入りました。この動きは以前から予測されていたことです。電子出版の現状は、新聞や雑誌のような、一過性の読み捨て式の使い方が意識されています。従来のハードコピーの形でも参照して利用することも、平行して準備しました。この報文の原稿は、A4版のMS-Wordとして体裁よくまとめ、そのままPDF版に落として、WEB版の利用サイトからダウンロードできるようにしてあります。
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