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2. 論理演算

2.3 変数を一つ使う演算


2.3.3 論理演算子としてのNOT

 二値の論理演算は、変数の値としての「真・偽」を反転する方法を用意します。このときに、前章の 4.1.1項、表1.1に紹介した否定の演算子と、その使い方を決めるのですが、これが悩ましい問題です。その理由は、通常のワードプロセッサでは表現できない特殊な記号文字または編集用記号を使うからです。高校数学の教科書では、集合論の否定を表す演算表記は、変数または変数を使った式の文字並びの上に横線を引きます。ワードプロセッサは、下線(underline)を引く処理はありますが、上横線を引く方法がありません。文字高さの中央に取り消し線を引くことができますので、この教材は、便宜的にこの方法も採用しています。マイナス符号を使う方法に倣って、否定の演算子を決めて、論理変数の前に書く方法も利用します。日本語の全角文字では「¬」が定義されています。英字のままNotを演算子に使うこともします。否定の演算は、電卓の符号変換と似たところがあります。二度続けて演算すると元に戻るからです。この演算の応用として良く知られている法則が、二重否定律です。コンピュータ言語では、この演算に使う演算子記号の約束とその使い方については、混乱があります。論理変数の型を明示的に定義できるもの(Visual BasicのBoolean)と、そうでない場合(C言語)があります。C言語では、「!」(感嘆符;exclamation mark)を否定の演算子にしています。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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