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2. 論理演算

2.2 演算の表し方


2.2.1 論理変数の考え方

 記号論理学は、代数学と同じように、文字や記号を使って文の性質や関係を扱います。記号論理学で使う用語と記号文字の書き方については、現在のところ標準化は曖昧です。日本語のワードプロセッサで表記できる制限を考えると、第1.4.4項、表1.1のような種類があります。コンピュータが無かった時代は、文字並びに書いて、計算(演算)手順を説明しました。コンピュータ処理は、その文を解読(compile)して計算します。二値論理学に応用する代数学をブール代数と言います。命題を形式化して、P,Qなどの文字を当てた論理変数で表します。その変数の取ることができる値を論理値と言い、(真・偽)の二つしかない、とします。この二つの論理値は、コンピュータの処理に向くようにするときは、2進数の(1.0)に置き換えます。そうすると、コンピュータメモリのビット並びを、演算の媒体に使うことができます。プログラミング技術の立場から言うと、コンピュータの演算では8ビットの集合を1バイトとし、幾つかのバイト数の並びで文字や数を表します。このとき、ビット並びの個別の位置ごとに変数を割り当てることもします。整数として利用する複数のバイト並びを論理値に代用するときは、ビット並びがすべて0であるときは偽、それ以外は真とする約束を使います。整数(−1)を表すビット並びは、すべてのビットをon(1のこと)にすると約束しています。ビット並びを、数を扱う場合と論理値を扱う場合とを混用して使うこともありますので、プログラミングでは注意が必要です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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