古い時代から、川は、人の生活環境と密接な関わりがあります。寺社や公園で見かける小さな橋もあって、私的な利用も少なくありませんが、この文書は、公共的な通路を渡すことを目的としたインフラストラクチャ(社会資本)として建設される橋について幾つかのPDF資料を、WEBで参照できるようにまとめた目録です。元原稿は、藤井郁夫氏がまとめた未公開の資料です。
橋と言えば、その製作・架設・維持・管理などの記録と同時に、橋と川とに関連する伝承や歴史も多く残されています。橋は地域の人だけでなく、旅行者も含め、興味と親しみを持たれる地域密着型の構造物ですが、全国的に資料を総合化する編集作業はほとんど行なわれてきませんでした。情報技術(IT)が進歩し、インターネットの利用が普及するようになって、資料の管理と利用の方法に新しい時代を迎えるようになりました。橋は、工業技術的な課題だけでなく、人文学的な話題なども含め、広く興味を持たれています。したがって、多様な整理方法が考えられています。ここにまとめた資料は、「川を渡る橋」を主題にしてまとめたものです。土木技術者のデータ集として利用する情報だけでなく、一般の人向けの観光案内的な利用方法も考えて編集しました。
一方、趣味としての山歩きを楽しむ人も多くいます。大陸国家の地形は、日本の山容と大きく異なります。欧米では、アルプスなどの高地登山は、冒険またはスポーツ的な扱いをしています。やや特別な準備をしなければなりません。その登山技術を、日本では、当初、軍事技術として輸入しました。一般の人が真似て、集団登山訓練、それも冬季に行うなどは、避けるのが賢明です。体力の大きくない女性や子供には向かない面があります。日本には、昔から山岳信仰があります。山を踏破する、征服すると言う欧米風の考え方とは異質な面があります。里山(さとやま)と言う言葉があって、人里と接して、人の影響を受けた生態系を持った山を言います。山菜採りや、きのこ狩などの庶民的な楽しみ方があります。里山と対比した山が深山(みやま)です。日本は四季ごとに景観の移ろいがあります。これらの山も、川とともに、景色を楽しみたいものです。 |
情報は、コンピュータ時代になって普通名詞並みに使う用語になりました。情報の1単位は、表題と中身とから構成されます。必要十分な要件は、(5W1H)を満たすと考えるのが分かり易いでしょう。この文書で扱う橋の情報項目を、下の表1にまとめました。個別の橋の情報は、現時点で実在している橋、それも川筋単位で、その川を渡る橋に限定しました。現代になって、鉄道や道路の上を渡す高架橋が増えてきましたが、これらは陸橋と言います。ここでの資料には含ませていません。古くから名前が知られていても、現存していない橋、また、架け換えなどで名前が変っている場合も省いてあります。日本全国での橋の総数は、大小取り混ぜて、一説では40万橋もあると言われていますが、正確な数は分かりません。国や県などの自治体が管理する橋は、約4万橋程度です。一方、国土交通省が整理した河川名の情報では、支流名を含めた川筋名で数えると約3万5千5百あります。1つの川筋に1つの橋があるとすると、この数だけの橋数があることになりますが、この資料では、県ごとに、主要な川筋として、平均して20程度の河川名、橋数では平均して約5百のデータをまとめてあります。したがって、今後、息長くデータの追加や変更の便を考えることにして、ページ数を抑えた多くのPDFファイルの集合を計画しました。1つの橋のデータ項目を一行に詰める印刷スタイルにするため、キーワードを短く定義してあります。これについて、解説編を参照して下さい。表1の情報項目の、最後の二つは省いてあります。必要があれば、別に保存してある原本を参照することになります。
表1. 橋についての情報区分
見出し |
項目内容のあらまし |
5W1H |
ID番号 |
データベース管理に必要な番号です。頭は英字にします。内部データです。 |
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橋名 |
標準は漢字並び。文字並びの最後に「橋」または「橋梁」と付きます。 |
what |
読み(ふりがな) |
漢字の橋名読みは複雑です。同じ漢字並びで読みが異なることがあります。 |
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都道府県名 |
橋の資料は、都道府県別にファイル化されています。 |
where1 |
所在地 |
橋の所在地で、市区町村名です。市町村合併などがあるのが厄介です。 |
where2 |
路線名 |
橋が渡す通路です。道路橋では、国道・県道の番号。鉄道では路線名など。 |
where3 |
架橋対象 |
橋が渡る河川・運河・水路名などです。陸橋・高架橋は含めていません。 |
where4 |
参考年月日 |
建設または架け換えなど、節目の西暦年です。 |
when |
橋長 |
橋は、道路または鉄道の一部です。管理上、橋の全体長さが重要です。 |
how1 |
橋幅 |
道路橋では幅員構成、鉄道橋では、単線・複線の種別です。 |
how2 |
構造構成 |
橋は、幾つかの径間の並びで構成されます。橋梁工学的な情報です。 |
how3 |
特記事項 |
設計者・製作者・上部工・下部工の施工者、補修・改修・廃橋などのデータ。 |
who |
出典資料 |
情報の出所の文献名、または、その管理番号(藤井資料も参照) |
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インターネットを介した検索サービスが便利になりました。具体的に橋の名前や河川名を検索語(keyword)に使うと、パソコンのモニタ画面上で程ほどの情報を見ることができます。これを個別情報とします。散発的な情報になり易いので、標準的なデータ構成法を工夫し、個別情報を集積してデータベース化します。この作成・維持・管理は、高度なコンピュータ技術が応用されますので個人作業の範囲を超えます。一方、個別情報を利用するユーザは、モニタ画面上で観察します。モニタ画面は寸法が狭いことと、一過性の表示ですので、より詳しい情報を知りたいときは、検索操作を繰り返す必要があります。また、後から見たいときは、印刷して残すようにします。この利用方法は、モニタの視野が狭いので、望遠鏡を使った星の観測と似たところがあって、俗に言えば「葦の髄から天井覗く」観察法です。天空は広いので、目標の星を含む或る領域範囲の他の星との関連が分かる、例えば星座の知識を参考にします。橋や川の場合、名前を知っていて、それを検索語に使うことができます。実は、全国的に調べると同名の橋が多く見つかります。管理者側での命名のほかに、地元での呼び名がある場合もあって、検索に掛からないこともあります。そこで、全体が見渡せる目録やの索引を作っておいて、そこから出発して、検索効率を上げる方法が必要です。こちらを一覧情報とします。下の表2は、個別の情報を検索する前に、全体情報のあらましを調べるためにまとめた資料です。
表2. 川を渡る橋の見方で整理したPDF版一覧資料
ファイル名 |
内 容 |
概略ページ数 |
川を渡る橋・解説書 |
このWEB版資料は、一過性の閲覧用ですので、ほぼ同じ内容を印刷もできるPDF版にまとめたものです。教育目的の資料(チュトリアル)を意図しましたので、最初に閲覧することを薦めます。 |
20 |
一級・二級水系の主要な河川名 |
国土交通省の河川コードから整理しました。大きな一級河川は、全国的にもよく知られています。それらの主要な支流名、さらには都道府県単位で、地元ではよく知られている河川名までのあらましを紹介する資料です。 |
20 |
一級・二級水系の主要な橋梁名 |
川沿い単位に橋名だけを集めた資料です。河川名は地域固有ですし、その川筋単位の橋は更に地元密着型の名前です。これも橋名のあらましを紹介する資料です。 |
>18 |
川を渡る橋フォルダ(表4参照) |
都道府県単位で橋情報を分冊目録で編集中です。後の表4からリンクします。 |
≒47×500 |
表3. データブック的に利用するPDFファイル
ファイル |
内 容 |
ページ数 |
道路の路線番号→路線名索引 |
国道や県道は、路線数が多いので、データの管理上、起点と終点とが定義された路線名と路線番号が決められています。自動車時代になって、高速道路、有料道路、バイパスなど道路路線が多様化してきました。路線番号は道路地図に表示され、実際の道路標識に見られます。 |
139 |
道路の路線名→路線番号索引 |
上の逆引き索引です。路線名は地域の市区町村名を利用していますが、他府県の町名は旅行者には分かり難い面があります。町村合併などで地名が変わることもあります。路線番号の方が使い易いでしょう。 |
73 |
鉄道の路線名一覧 |
鉄道といえば、以前は全国を網羅する国有鉄道(国鉄)を意味しました。例えば東海道本線などは、時刻表で眼に触れる機会が多いので、そのままデータ項目に使います。国鉄の分割民営化で、私鉄との競合、新幹線の建設など、鉄道も多様化が進みました。 |
12 |
日本の河川名索引 |
日本は、降水量が多いこもとあって、島国でありながら多くの中小河川があることが、世界的に見れば非常に特異です。日本全国で、川筋名の数は約3万5千五百もあって、同名の河川名も多くみられます。国土交通省は都道府県単位で固有の河川コードを決めています。この索引は、河川名から河川コードを引くように編集したものです。 |
184 |
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橋の名前を知っていて、どの川筋に架かっているかの橋名索引は、別の
PDF版資料にまとめてあります。こちらは、橋梁史の見方で蓄積された藤井資料を情報源としています。過去に存在し、補修の記録や、現在は廃橋になった橋名も年代順に集めてあって、言わば橋の戸籍謄本の性格があります。この文書資料は、現時点で実在する「川を渡る橋の情報」を参照することに目的があります。
橋は地域密着型の構造物です。基本構成は、まず都道府県名のサブフォルダから検索を出発し、個別の河川名単位で
PDFファイル化した資料で閲覧し、川沿いで橋名を検索するようにしてあります。ファイルの中での河川名単位の並び順は決めてありません。同名の河川について、橋の並びは、原則として下流から上流向きです。しかし、書類上の整理のままで、現地での確認はされていませんので、橋の並び順の狂い、データの抜けもあることをお断りしておきます。道路橋の場合、拡幅や歩道専用の橋が追加されることがありますが、新規架橋とはしてのデータの追加はしていません。西暦年のデータは、創架・架け換え・伸長など、最終的な工事の節目年を表すことにしています。廃橋または撤去された橋は、橋脚などが残っている場合もあって、川沿いの景観として注目を引くこともあります。一方、複数の都府県にまたがる一級河川沿いのデータ、例えば木曽川では、長野県・岐阜県・愛知県・三重県にデータが分かれていますので、県単位で検索して下さい。
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