1.5 内的静定と外的静定の確認

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 トラスデータ全体については、安定な構造に構成されていることについての位相幾何学的(トポロジー的)な確認が必要です。部材は、格点と格点とを結ぶ辺として定義します。トラス全体を支点から外してもトラス本体の形が崩れないとき、このトラスは内的に安定であると言います。このとき、このトラスに任意の外力を作用させて、力の釣合条件だけで部材力が計算できるとき、このトラスは静定であると言い、格点数(NP)と部材数(NE)とに下の必要条件があります。

      NE = 3 * NP - 6
格点数NPで計算した必要部材数よりも実際の部材数が多い場合は、その差だけ内的に不静定です。例題ではNP=20、NE=70ですので、トラス単独では16次の不静定になっています。

 内的に安定なトラスは、支点を介して大地と接続されます。このとき、支点全体で6成分の拘束があるとき、外的に静定です。例題では4箇所の支点で計7個の拘束力成分ですので、外的には垂直方向に関して1次不静定です。つまり、例題の立体トラスは全体として17次の不静定構造物です。ただし、この不静定次数は格点数や部材数からの単純な代数計算での値です。計算データを準備する段階で、安定定条件を満たしていることを念のため確かめておくことは大切です。構造物としての部材の組み立て方次第では、不安定な構成になる場合もあります。この場合にはFEMの計算がどこかで不具合を起こします。


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