表4.1 一字で「〜ずる」と使う動詞用漢字
漢字一字で動詞の意義を持つものは、常用漢字の範囲で約800字あります。筆者は、これを動詞用漢字と便宜的に分類しています。その内、約600字は訓読み(くんよみ)があります。訓読みで使う動詞は、耳で聞いて分かり易く、軟らかい文体になります。文字並びが「訓読み」の語構成は漢字が二字並びます。「訓」の字は音(おん)でしか使いません。一方、「音読み」と書いてあると(おんよみ、おとよみ)どちらか?で迷います。書き手は、読み手が迷わないようにする義務があるのですが、その文書に関係している人の間(専門)では何となく約束があります。書き言葉で動詞用漢字を純粋に動詞として読ませるときは、一字の後に送り仮名を付けます。黙読しているとき、続いている仮名を瞬間的に判断して音訓を読み分けます。「〜する」と続く熟語動詞は、通常は音で読みます。音だけで使う一字の動詞用漢字には、「〜ずる」と使う字と(表4.1)、「〜する」と使う字があります(表4.2)。漢字は熟語に構成する造語能力が格段に高いので、二字の組み合わせで使う音読み熟語のスル名詞は多く知られていて、慣用的な語彙の数でも約6000語あります。
表4.2 一字で「〜する」と使う動詞用漢字
2010.4 橋梁&都市PROJECT
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