プログラム目録

著者 : エクセルSoft開発グループ

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あらまし
 ここに挙げた設計プログラムは、既設橋梁の簡易振動調査を行う際に、対象橋梁が設計された時点の設計計算書を扱い易い形で再現し、調査結果を判定するときの資料に使うことが当初の目的です。したがって、対象橋梁の振動調査に合わせて計算プログラムの開発を行ってきました。このとき、対象橋梁が現行の荷重体系の下では耐荷力にどの程度の余裕があるか、また、補強・補修なども含め、実構造の性質を考慮すると当初の設計計算とどのように相違するか、などの解析も要望されます。そうすると、対象橋梁が一つでも、設計条件を変えた、幾つかの構造計算をしなければなりません。橋梁の管理者は公共企業体ですので、計算書は技術文書ではありますが、公文書としての体裁を整える必要があります。このことを考えて、設計条件、特に準拠示法書別に独立したプログラム単位にまとめることにしました。一つのプログラム単位に、欲張ってあらゆる条件に対応するようにすると、開発者は便利と自負し易いのですが、不必要な部分で重くなり、また条件すべてをもれなく含ませることもできません。したがって、再現設計の調査をするときは、複数のエクセルSoftを使い分けるように、また、ユーザレベルでも弾力的に条件設定が変更できるようにしました。技術計算のプログラミング言語の定番は、Fortran, Visual Basic, Cなどですが、これらはコンパイルして実行プログラムにまとめますので、一般ユーザは条件変更に手がでません。MS-EXCELは、計算手順をユーザの見える形で組み立てることができます。これは商業ベースの販売ソフトとしては敬遠されるのですが、公文書の情報公開の目的にも沿います。もう一つ、技術教育の教材としての利用があります。

 再現設計のエクセルSoftは、一つのブック単位で完結するようにまとめてあります。構造計算部分には、例えば格子桁の横分配の計算のように、これだけを扱う計算ソフトが別にまとめてあるのですが、再現設計エクセルSoftの中に組み込んで利用しています。格子桁の分配計算は、主桁本数によってマトリックスの次数を変更しなければなりません。MS-EXCELでは、マトリックスの次数を変数扱いにしてプログラムの汎用性を図ることに幾らか不便な面がありますので、主桁本数違いの別バージョンのエクセルSoftを幾つか準備しました。トラス橋の場合にはトラス形式、パネル数、縦桁本数違い、準拠示方書違い、などで別バージョンにしてありますので、ソフトの本数が増えています。中のシート単位で見ると、共通に利用できる部分も少なくないのですが、ユーザレベルで組み合わせを考える煩わしさを避け、一単位ごとのブック形式でまとめました。

 再現設計のエクセルSoftは、形式的には設計計算書の作成を標榜していますが、製作・輸送・架設に関する計算は意図的に省いてあります。例えば、鋼橋の場合では、添接部の計算がそうですが、この部分は製作から架設の段取りと関連を考えて工事関係者が扱う専門事項だからです。不静定構造物の死荷重応力は、架設の段取りによって変わります。しかし、活荷重応力は、架設工事の履歴には無関係に計算できます。再現設計のエクセルSoftは、活荷重を受ける構造物の計算を目的としています。しかし、既設橋梁の調査では、製作・輸送・架設に関する専門知識も必要です。これらについては、別の資料を参照して下さい。
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