図5.6 断面提案モデル
曲げ部材は、曲げモーメントを受けたときの応力度を計算することで安全を確認します。したがって、その計算法は設計計算書の必須事項です。その前段階は、曲げモーメントの大きさを求めておくことと、材料の許容応力度を決めておくことです。I形鋼・H形鋼は、そのまま曲げ部材として使うことができるようにバランスの取れた板厚・板幅構成材として製鉄所で製作されています。曲げモーメントMと許容応力σとから所要の断面係数Z=M/σが分りますので、カタログからその断面係数を満たす断面を選択すれば済みます。プレートガーダーに採用する断面は、カタログ寸法の例外になりますので、曲げモーメントと許容応力の条件と共に、ウエブ板厚と桁高を決めておいて、フランジの断面積を提案するように整理した式を使います。圧縮側と引張側とで許容応力度を変えると、上下非対称の断面を提案しなければなりません。式の形は、次のようになります(図5.6参照)。
入力条件(通常は、総て正の数値で表す約束です。単位系は実務の習慣で変わります)
M: 曲げモーメント(kgf-cm)(桁の上側が圧縮になる向きの曲げモーメント)
σt: 引張許容応力度(kgf/cm2)
σc: 圧縮許容応力度(kgf/cm2)(圧縮と断って正の数値を使います)
h: 腹板の桁高(cm)
Aw: 腹板の断面積=ht(cm2)求める数値
2009.8 橋梁&都市PROJECT |