静定トラス部材に作用する力は、格点での力の釣合い条件だけで求めることができます。釣合いは、垂直方向成分と水平方向成分の力の和が0になる条件ですので、概念式として、狽u=0、狽g=0の二つで表します。格点では、少なくとも3本の部材が集まりますので、2本を残して他の部材力が判れば、釣合い条件で残り2本の部材力が計算できます。静定トラスでは、どこか一箇所の格点で部材力のすべてが判れば、残りの格点での部材力は、芋づる式の手順で計算することができます。そこで、計算を始める格点を支点とします。支点では部材が2本しか集まりませんので、支点反力が判れば部材力が判ります。支点反力は、トラスに作用する外力の釣合い条件で求まります。トラス橋で、第一パネルの斜材の部材力は、この方法で簡単に得られます。端斜材の影響線は、支点反力の影響線をそのまま応用することができますが、活荷重が間接荷重になることを補正します。芋づる式の計算方法は、部材数が多くなるトラス橋の計算には手が掛かりますし、また影響線を求める方法には向きません。そのため、次の2.4節で説明する切断法(または断面法)を使います。
2009.5 橋梁&都市PROJECT |