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5. 図形と字形の作成

5.2 図形データの構造


5.2.4 文字データの図形構造

幾何学的図形のデータを送信して、受信側で図形を正しく再現させることは、改めて図形を描かせることです。一般的には立体的な図形も扱います。このデータを幾何モデルと言い、CAD/CAMの分野で研究されてきました。立体的な形状のデータがあれば、種々の投影図に変換することができます。図形の特徴を表すデータは、前もってそれを記録しておくファイル構造を決め、そのファイルを保存します。平面図形のデータ構造は、線の集合で表す場合と、線で外郭の図形を定義しておいて、その中の点の集合で表す場合の二種類があります。前者は線図です。後者は、小さな点の密度を変えてランダムに配置する濃淡図か、電光掲示板のように、密度の粗い方眼状のドット並びで図形として認識させます。文字は、モニタに表示させるか、プリンタで紙に印刷させるかを考えた平面図形を考えます。線図で構成する字形がベクターフォント(vector font)です。アウトラインフォント(outline font)は、線の太さを変えたり、滑らかな線を作成したりするため、外郭線を考え、その内部を細かな点で埋める方法です。電光掲示板式の文字をドット字形と言います。ドットインパクトプリンタ用の字形として、16ドットと24ドットの字形がJISとして提案されています。英字は隙間の多い字形ですので、縦長の7×5ドットでも実用になります。基本的な高解像度のキャラクタディスプレイで使われる640×480ピクセルは、横に8ドット単位で80字が表示できることを考えた設計寸法です。

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