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10. 衝撃・振動・疲労

10.1 応力の動的な増加


10.1.3 衝撃試験も参考にする

図10.2 シャルピー衝撃試験機の原理
 破壊には外部仕事が必要です。それを試験する装置の一つとしてシャルピー(George Charpy, 1865-1945)が考案したシャルピー衝撃試験機があります(図10.2)。原理は、振り子状にした錘のハンマー作用で試験片を折損させます。起点高さから振り子の錘が振り抜いて、試験片を破断させた後、錘が或る高さになった高さの差が位置エネルギーとして消費されたことになります。試験片断面積当たりの破壊エネルギーとして整理し、強度の指標に使います。この試験は、低温脆性の研究から注目されるようになりました。疲労強度も低温になると下がることが類推されています。力が作用する機械装置は、経験的知識として、ウォーミングアップして使うと長持ちします。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2011」

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