表4.8 日本語の名詞以外の品詞の使い方(例として見て下さい)
論理学の用語 |
日 本 語 で の 表 し 方 |
備 考 |
肯定 存在 部分肯定 |
…です、…である、…だ、(英語のbe動詞相当)、動詞の終止形一般
…い、…しい(形容詞の終止形)、…だ(形容動詞の終止形)
…がある(無生物)、…がいる(生物)、存在する
…だけ、…もいる、…もある、 |
「です・ます」など、
言い回しの区別があり
ます。 |
限量詞 代名詞 |
すべて(の)、なんでも、みな、というもの、つねに、いつも、或る、
任意の、だけ、少なくとも、ともに、…も、
もの、こと、その、おなじ、のような
だれでも、だれも、どこも、どれも
|
数量の定義に使いま
す。これらは集合論に
関係します。 |
否定の限量詞 |
なにも…、まったく(全く)…、全然…、必ずしも… |
全称否定命題 |
連言 |
および(及び)、かつ、さらに、したがって、そこで、そして、
そのうえ、それから、それだけでなく、それで、それなのに、
それゆえ、ただし、…と、なお、ならびに(並びに)、…の時、
ふたつとも、また、…し、…して、…(し)たり…で、…が、
ところで、だが、けれども、でも、ところが(逆態)しかし、だが、のに、
ながら、さりながら、がしかし(逆接)さて、つぎに、では、
|
連用中止形も連言とし
ます。いわゆる「て」
フォームも含みます。
逆接、逆態も論理的に
は連言。「など」はやた
らに使いません。 |
選言 |
あるいは、いずれか、か、かあるいは、または(又は)、
それとも、
もしくは(若しくは)(主格の「…も」は補助的に用いられる) |
普通の日本語では、排
反的な意味です。両立的
とも言います。 |
内含 条件文の前件
条件文の後件 |
ならば、…(する)と、なら、ば、れば、たら、(の)場合(に)、
…のとき(同時性の場合には、「時」を使い、連言と同じ)
ときだけ、の限り、…のみ、…だけは、だけである
にかぎ(限)られる、にかぎ(限)る、にかぎ(限)らない
…のとき、そのときにかぎ(限)って…、ときだけである
だから、ゆえに |
仮定法の「もし」を使い
ません。
双条件文 |
推論 |
ゆえに必ず、ゆえにおそらく、当然である、必然である、必ず、
かならず、みなす、そうだ、ようだ、らしい、う、よう
可能である、あり得る、
…ので、妥当である、だから、はず、ちがいない、しかない、
なければならない、ありえない、あき(明)らかである
|
必然的真
可能 |
理由 |
ために、ためには、だから、…(する)ためである、ので
なぜなら、…からである、…からだ |
|
許容 |
よろしい、(し)てもよい、…てよい、可能である、できる
れる、られる |
|
命令 禁止
|
(し)なければならない、すべきである、必要である
(し)てはならない |
|
定義文 |
英語のbe動詞に相当する「です・である」式の文が、定義文。
{「単語」は、「区別」+「概念」である} …または、
{「区別」+「概念」が、「単語」である} …の形式がよい。
動詞を定義するとき以外に、「もの」や「こと」などの代名詞を使わないようにする。 |
定義文は双条件文にす
る。言いかえと混同し
ない |
説明文 |
読む、書く、走る、歩くなど、動作動詞を使う普通の文は、説明文になる。 |
普通名詞は具体性が低
い |
比較文 |
比べる対象との類似点をあげるやり方(含意、対等)と、相違点をあげる
やり方(逆、反対、矛盾)とがある。 |
…のような、…らし
い;は修辞学の直喩
|
副詞、 形容動詞、 形容詞 |
少々、しばらく、すぐに、早く、十分に、大幅に、大きい、小さい、
非常に、間もなく、急激に、いろいろな、高い、古い、
大勢、至急、よく、たまに、……… |
意味に幅があり、二値
論理に向きません。数
量化して使います。 |
意見陳述 |
考えられる、思われる、好き、嫌い、心地よい、痛い、苦しい、眠い、
見える、聞こえる、甘い、辛い、臭う、 |
感覚に関する用語は主
観的な判断です。 |
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」 |