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3. 演繹と証明の実践的方法

3.1 言葉の説明


3.1.4 背理法

 証明とは、正しい結果が得られることを説明する手続きです。数学では、式の左右を、イコール記号「=」で表すことができれば、よい手続きを踏まえた証明であると判断します。論理式では、これが等値記号「≡」で繋ぐことができて、この式が恒真式(トートロジー)であることを示すことが証明です。イコール記号「=」と等値記号「≡」とは、記号の左右が同じであることを示す記号ですが、演算子として使うことがあります。この使い分けで混乱することがあります。演繹の方法で得られた結論は明快ですので、公式として使うことがあります。有名な物理学の公式には、アインシュタインのエネルギーの数学公式「E=mc」があります。歴史的に有名な証明問題に四色問題があります。この結論は、常識的に認められていますが、その合理的な証明方法が見つからなかったのでした。多くの事例を調べていって、一つでも例外が見つかれば、正しくないとします。また、一つも例外がないことを説明できれば正しさ証明になります。この証明方法が背理法です。これに使う方法に、論理学では対偶・対当・逆・裏の用語を使う関係式が応用されます。また、例外が一つも無い場合の説明には「すべて」の用語を使う論理式を使うことがありますが、これを考えるときに集合論の知識が必要です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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