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3. 演繹と証明の実践的方法

3.1 言葉の説明


3.1.3 帰納法

 証明に使う第二の方法は、結論を最初に言っておいて、その正しさを説明するときに「なぜならば」を表す記号「∵」を書いて、それに続けて式を並べます。結論だけを利用し、その結論が得られた過程の説明を省くと不親切になるときは、後から説明または証明を追加する形をとります。その順番を区別したいとき、後ろ向き推論と言います。演繹と言うときは、説明用の式が先行し、それから結論を言う素直な順ですので、前向き推論です。何かの表式をあらかじめ仮定しておいて、その仮定を正しいものとして演繹し、正しい結果が得られたならば、元の仮定が正しいとする証明方法を、帰納法と言います。その過程を帰納的推論と言います。帰納は、演繹と対にする用語です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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