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2. 論理演算

2.4 変数を二つ使う演算


2.4.4 ベン図は集合論の図であること

 図2.1のベン図は、二値論理学の説明には誤解を起こします。その理由は、領域を表す図形に、丸が二つと外枠の矩形を考えて三つあるからです。集合論の説明図として見ると、二つの円が離れている場合、一方が他方に含まれる場合を扱っていません。二つの円が交差する図は、領域が四つできますので、演算の結果が四通りあります。しかし、この演算結果すべてに論理的な意味付けができません。集合論の説明にベン図を使うときは、二円(P、Q)が交差している場合、二円が離れている場合、PがQの内部にある(またはQがPの内部にある)場合を考えます。これを文で表現すると、表2.5に示すように四通りあります。記号(⊃と⊂)及び(⊇と⊆)は、論理学では使いません。

表2.5 集合論で「或るとすべて」を考えた干渉記号

番号

2円(P、Q)の位置関係

記号式

言葉による説明

1

P、Qが離れている P∩Q=0 共通部分がない(空集合)

2

P、Qが交差している P⊃Q または Q⊂P Pの部分集合がQに在る
P⊂Q または Q⊃P PはQ部分集合を持つ

3

Qの内側にPが入る P⊇Q または Q⊆P QはPをすべて含む

4

Pの内側にQが入る P⊆Q または Q⊇P PはQをすべて含む
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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