代数学では、一価関数であることの標準的な表記法は f(x)です。変数 y に代入する表記では、xを媒介変数(parameter)、y を従属変数(subordinate variable)と呼び、解釈としては x を y に変換するとします。関数f(x)の表記を演算子に換える例が、数の符号変換に使うマイナス記号「−」です。論理式は、否定の演算子です。演算子記号は、変数xの前に書きます。一価関数のもう一つの解釈は、電気電子工学で利用され、xを入力(input)、yを出力(output)とします。論理数Pの否定は、P,¬PまたはNotPのように表記します。一価関数の表し方は、Q=F(P)の形を考えます。論理数の取り得る値は「真・偽」の二つしかありませんので、PからQへの変換は4通りしかありません。これを表2.1にまとめます。なお、この表では「真・偽」を「1,0」で表しています。
表2.2 変数一個の論理演算則の表
番 号 |
否定演算の表記法 |
Pの値 |
Qの値 |
定 義 |
文章での言い方 |
1 |
P ¬P ¬(P) NotP
|
1 |
1 |
トートロジー |
PはPである |
2 |
1 |
0 |
Pの否定、NOT |
Pでない |
3 |
0 |
1 |
Pの否定、NOT |
Pでない |
4 |
0 |
1 |
矛盾 |
PはPでない |
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