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1. 用語の定義と解説

1.3 虚偽に関する用語


1.3.27 前件否定の誤り後件肯定の誤り

 「AならばBである」の内含を表す条件命題において、この全体命題が「偽」になるのは、前件Aが「真」で、後件Bが「偽」になるときに限ります。
 一方、後件Bが肯定、つまり「真」であるとき、前件Aが真偽いずれの場合にも条件命題が論理代数的に「真」となります。これが後件肯定の誤りです。例えば、「二つの三角形が合同ならば、それらは相似である」という命題において、「それらは合同でない、よってそれらは相似でない」という推論は、前件否定の誤りです。また「それらは相似である、よって合同である」という推論は、後件肯定の誤りです。なお、「AならばBである」の対偶は「BでないならばAでない」であるので、「二つの三角形が相似でないならば、それらは合同ではない」は正しい推論です。
科学書刊株式会社:電子版 「橋梁&都市 PROJECT: 2012」

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